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ドイツと日本、往復しながら考えた。さて、どっち向かって歩いて行こうか。


by Rottenmeier-ffm

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製品と商品

この二つの単語の意味を私が正確に把握しているのかどうかわかりませんが、私は
「製品と言うのは工場で原材料を加工して出来上がった物」で、
「商品は最終的にはそれを使用する人が対価を払って獲得する物」
――と理解しております。

どうやら日本の中小製造会社の皆さんは「製造する」ことにはたけていても「商品化」することにはあまり関心を持っていらっしゃらないと最近気づきました。

と言うのも、世界から見ても日本国内マーケットと言うのは充分に大きく、製造業は国内での売り上げだけで充分食べていけるのです。めんどくさい海外へ進出することは考えなくてもなんとかなる。
しかし、日本の人口は減り、インターネットであらゆる情報入手が可能な時代、海外からどんどん物が入ってくる、日本の市場はどんどん手狭になってくる。閉塞感を感じる企業も多いはずです。

「このままで、この先やっていけるのか?」

日本人がつくる物は日本人にはすぐに理解できるし、元々日本人が使用することを前提に製造されています。
品質、信頼性も高い。海外にも必ず市場はあるはずです。
しかしながら、日本人には説明しなくても理解できることがヨーロッパ人にはできないこともある。
パッケージやリーフレットを翻訳してみても、それが果たしてヨーロッパ人にアピールするに足りるのか?

「新製品開発過程で、商品化するときのことを考えて企画しなければならない」と言うことがすっぽり抜けているような製品が日本にはまだまだ多いのです。
良いものを作れば売れるのは日本だけです。生活様式も好みも全く違う国で売る場合、パッケージも、販売促進物も、販売戦略も全く変わってくるはずです。
原材料費がどうでもいい所にかけられていて、製品価格が跳ね上がる。 これでは商品化できません。

価格もデザインの内。

デザインを凝ってみたら売れると言うのは妄想です。インダストリーデザイナーはデザインするとき、自分の仕事として完成度の高い物をデザインするのではなく、製造された後、一体いくらで売れるのか、それが適正価格に収まるのか、充分に考えてデザインしてほしいです。

地方の製造業者が地域振興のために高名なデザイナーに地場産業の製品のデザイン依頼し、製造すると言う産業省がらみのプロジェクトが数多く試されましたが、成果がきちんと出た話は聞いたことが無い。

たぶん日本の製造業者に必要なのは新製品の企画から携わって、製造、マーケティング、販売 まで全体を俯瞰できる人間だと思います。
どこにどんな価格で売るのかあてがなければ素晴らしいデザインも無意味です。むしろカッコよすぎると売れなかったりするかもしれない。ヒット商品と言うのは、価格も、品質も、デザインも、売り場も全てがうまくかみ合っている商品に限られます。

ちなみに、日本で売れない商品はヨーロッパでも売れませんよー。

ああ、すみませんすっかり愚痴になってしまいました。

できることはしないとね。がんばりますとも。
製品と商品_c0180339_23475681.jpg


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by rottenmeier-ffm | 2014-09-11 23:48 | ビジネス私見 | Comments(0)

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