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ドイツと日本、往復しながら考えた。さて、どっち向かって歩いて行こうか。


by Rottenmeier-ffm

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幸せな小国。

私にとって、一番最初のヨーロッパ体験がデンマークでした。
かれこれ25年以上昔の話になります。
しかし、最初の印象と言うのはとても強烈な物で、良く覚えている物ですね。

デンマークの第一印象は
「なんて恵まれた国なんだろう。」でした。

第2次世界大戦で破壊されたり、ゼロからやり直す必要が無く、ヨーロッパ文明の中心には居なかったものの、その周辺で先進技術をうまく取り入れながら上手に世渡りをして、確実に蓄財して来た。
国としてのインフラや各家庭の個人資産も、20世紀以降は戦争や災害で破壊されること無く、大事に子孫に受け継がれてきました。
幸せな小国。_c0180339_130137.jpg

ものすごく分かりやすい例ですが、デンマークの知人、友人宅にはほとんどと言ってよいほど、私が一目でわかる、デンマークの有名家具があります。それらはデンマークで購入しても、日本円で50万円や100万円近くするものだったりします。
親戚や親から遺産の一部として受け継いでいるケースが多いです。
アンティーク家具も、戦争で焼けていないのですから、まわりまわって大事に受け継がれています。
土地や、別荘などの財産にしても、人口数が安定しているので散逸したりしない。
幸せな小国。_c0180339_1303419.jpg

最先端技術やサービスは無いものの、十分に広くて良い環境で住む事ができ、別荘を持ったり、ボートや飛行機を買ったり、高価な趣味に投資できる余裕もあります。

教育も受けたいだけ受けられる。
親は育児中職場で時間の調節をさせてもらえるので、例えば、朝とても早くから働き始め、3時や4時で仕事を終えることも出来ます。時間に余裕があるということは、生活に余裕があるということですね。
幸せな小国。_c0180339_1304943.jpg

国の人口が500万人ほどなら、隅々に目が行き届きます。そして効率よく行政が動ける。

今回デンマークに居たのは4日間のショートステイでした。しかもいつもお邪魔している友人宅にずっと居たわけです。

それでも、現在の日本の社会情勢と比べると、デンマーク国社会が段違いに安定していると感じずにはおれませんでした。

ドイツにいて、日本社会との差というのは実際のところあまり感じたことは無いのですが。
やはり、国が大きくなると、行き届かないところも出てきます。

現状の日本はまるで戦時下の状態ですから、デンマークとの差が特に強く感じられたのかもしれません。

大国には大国の良さがあります。

しかし、21世紀、大国で強い国であることがどれほど国民の幸せ度につながっているのか。
私には大きな疑問です。

アメリカに追従し追いかけることしか考えてこなかった、現在50歳以上の経済界の重鎮や政治家。
大国になることがそれほど大事なのかしら。

大きくて強い国よりも、多分「愛される国」を目指した方がお得なんじゃないかしら。

今時「戦争をして日本を侵略してやろう」と言う国は無いと思うんですが。
いや、それは国際社会も許すまい。
幸いなことに宗教に絡んだ争いの無い日本国です。
いくら中国やロシアでも日本を属国にしようと戦争を仕掛けてくる恐れがあると思えない。

世界から「無害で、文化が豊かで、おいしくて、平和で、カッコイイ、憧れの日本!」
と思われるのが核兵器以上の最強の武器になると思うのですよ。



平和な小国に滞在している間に少し、甘い夢を見たようです。


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by Rottenmeier-ffm | 2011-05-26 01:33 | 旅情報 | Comments(11)
Commented by Maia at 2011-05-27 01:34 x
 ロッテンマイヤーさんの言うとおりだと思います。 アメリカは大きすぎ、あげく 法律は州によって違うのです。 変な話 州によって死刑がある州、ない州ってあります。 そして 国は医療保険という制度を持っていません。 というか一般の保険会社に保険はかけます。 しかも めちゃ高い! 保険があっても病気なんておちおちできません。 そういう点では 税金が高くても老後とか そういう心配をしない国ってうらやましいです。 ちなみに一番始めの写真、リビングルーム?にある家具の色とかがとっても素敵です。 やっぱり北欧の家具とか色って和みますね。 
Commented by phary at 2011-05-27 04:11 x
いつもながらRottenmeierさん、いい事をおっしゃいますね。
<21世紀、大国で強い国であることがどれほど国民の幸せ度につながっているのか>
<いくら中国やロシアでも日本を属国にしようと戦争を仕掛けてくる恐れがあると思えない。>
他国の領土を虎視眈々と狙っていた時代ならともかく、(まぁ、弱っち過ぎても困りますが)何も世界をリードするような国である必要はないわけですよね。
それより、国民一人ひとりが幸せだと思える国になってほしいです。
Commented by Rottenmeier-ffm at 2011-05-27 05:02
maiaさん、世界一大国のアメリカは幸せな人とそうでない人の差が大きい。それと私の思い過ごしかもしれませんが、「幸せになろうよ、勝とうよ。がんばろうよ。」というポジティブな考え方があまりにも横行しているようで、ちょっとしんどそうな気がします。そこがアメリカの良いところで、そして私が苦手とするところなのです。
そうそう、リビングルームは友人宅です。大きなおうちに一人住まいです。家具だけで一財産。
Commented by Rottenmeier-ffm at 2011-05-27 05:06
pharyさん、お褒めにあずかって光栄です。大国ほど舵取りが難しいし、良い方向に向かうのに時間がかかる。日本は人口を鑑みると結構な大国です。日本のような大国の国民の一人ひとりが幸せと感じることができるということは、きっとまだどの大国でも果たしてはいないような気がしますね。日本より人口の多い国って、問題の多いところが多いですもんね。
Commented by emru at 2011-05-27 13:56 x
はじめまして。いつも読み逃げしていたのですが(すみません)、今回と前回の記事にすごく反応してしまいました。以前、1年チョット北欧に住んだとき実感しました。豊かさの定義、暮らしやすさなどなど、大国だから良いというわけでないということを。それと、前回の記事のニシン、チーズが懐かしいです。美味しい黒パンと食べたい!
Commented by Kisa at 2011-05-28 01:25 x
一枚目のお写真、素敵なリビングですね。デンマーク語で、ヒュッゲというのでしたっけ、まさに、心地よい、寛ぎの場だなあという感じです。家具もあいまって、プライスレスの財産ですね。うちは母の実家が戦後に破産し、全て人手に渡ってしまったそうで、思い出の品が全くといっていいほど残っておらず、寂しいものです。戦後の日本のスタート地点を考えると、よくぞここまで復興したと思いますが、ヨーロッパの被災していない街を見るにつけ、羨ましい反面、日本がもしあの戦争をしていなかったら、どこの国を意識して、お手本にして、どんな街並みを作っていたのだろうと思います。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-28 05:21 x
emruさん、デンマークにいらっしゃったんですね。懐かしいでしょう。私も1年留学してからずっと縁が切れずにおります。デンマークでは普通に食べられているものって以外にほかの国では買えなかったりするんですよ。
また、ブログに遊びに来てください。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-28 05:24 x
Kisaさん、ドイツも日本も戦争でゼロから始めないといけなかったところは似ていますね。日本はそれでなくても災害で街を再建しなくてはいけないことが多かったですものね。蓄積を重ねてきた国はラッキーだったんでしょうね。ちょっとうらやましかったりします。
Commented by らくだのせなか at 2011-05-28 05:29 x
私、スウェーデンが欧州初体験の地で、デンマークが2番目に訪れた欧州の国でした。旅行者として行ったので、住んだことある方々とは印象が違うのかもしれませんが、21年前には「豊かで、とても落ち着いた国」という印象を受けました。
それから9年後に再訪したコペンハーゲンは、「あれ? こんなに人々がセカセカしていたっけ?」という印象を受けたのですが、それでも日本やドイツとは比べ物にならないですね。
とはいっても、シェンゲン条約加盟国からの入国コントロールを厳しくするべきだとか、モハメッド風刺画がこの国で発表されたという事実。時代とともに、社会情勢は変わってきているのではないでしょうか。
それとも、これは隣国から見た「メディアに寄って捻じ曲げられたデンマークの姿」なのかな・・・などと、Rottenmeierさんのブログを読んで考え込んでしまいました。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-28 21:22 x
らくだのせなかさん、デンマークの入国コントロールについてはもしかしたら影響のある国もあったかもしれません。日本人に対しては同じだと思います。私が留学していた頃ものすごく沢山の避難民が押し寄せてきているところでした。(中東から)社会的な不安定要素になってしまったようです。何と言っても500万の国民の国に何万人かが押し寄せたわけです。日本の人口比率で考えればえらいことになります。条約等を制定してかなり制限した結果現在は落ち着いているようです。例の風刺画の件よくご存知でしたね。中東に乳製品を沢山輸出している国だけにちょっとあの時期困ったことになったようです。あの時の印象としては「あほやなあ、ちょっとかんがえや。」と言うぐらいの物で、政治家以外のデンマーク国民の反応もそうだったような。おっとりしているのは25年前とあんまり変わっていない気がしますよ。
Commented by らくだのせなか at 2011-05-29 18:26 x
>政治家以外のデンマーク国民の反応もそうだったような。おっとりしているのは25年前とあんまり変わっていない気がしますよ。
**********
風刺画の件、こちらでは、トルコ系などムスリムの住民が多いせいか、メディアが大騒ぎしていたんです。でも、現地の一般市民と関わりのあるRottenmeierさんの話を読むと、こちらのメディアが意図的に大騒ぎしたんじゃないかと思えてきました。
入国管理強化の件、ここ1ヶ月以内の報道でしたが、東欧・バルカン方面からの入国を厳しくすべきという内容でした。シェンゲン条約加盟している以上、これは、完全なる規約違反ということで、一部の政治家やドイツメディアが騒いでいたような。
日本の震災以来、ドイツメディアの報道の「世論操作」に少し敏感になっています。

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