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ドイツと日本、往復しながら考えた。さて、どっち向かって歩いて行こうか。


by Rottenmeier-ffm

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開国から157年。

昨日の独り言に対しての皆さんのコメントを拝見し、ビンラディン容疑者の殺害を「やったー!」って喜んでいる某国の人たちに対して「????」と思っている御同輩が多いということに、ひそかに安心した次第。

こういう風に感じるのは日本人だけなんでしょうか。

ウィキによると日本の鎖国というのは1639年から1854年までの間を一般的には指すそうです。
200年以上、引きこもりだったわけです。
1854年に開国してからたった157年しかたっていないんですよ。
引きこもるこもらないにかかわらず、島国だったし、それ以前にも外国とのコンタクトが盛んであったとはいえません。むしろ日本史において1854年以降、未知の世界に足を踏み入れたことになるのですね。

うーん。

だからなのかなあ。

勧善懲悪っていまいちピンとこないです。
一寸の虫にも五分の魂。

日本の場合、戦国時代でも戦っているのは、隣の県の人達。つまり、時が変われば同胞になったりします。昨日の敵は今日の友。いわゆる外敵(徹底的に倒さないといけない相手)が存在しない歴史が長かった。

大陸の国々は、外から責められる歴史を繰り返してきましたよね。
仲間や家族を限定して守り抜け。それ以外は敵。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はそういう民族の歴史の中で確立されてきたのだと思います。
敵(悪)と味方(善)がはっきりしている。

たとえばですけど、
日本のアニメに出てくる悪者って、決して100%悪い人が出てくることはまず、少ない。
悪者にもそれなりの言い分があって、悪いことをしている。ヒーローもそれを倒すことにたまには躊躇したり、自分を顧みたりしながら戦っていく。

特に最近のアニメや漫画のストーリーには、悪役があまり出てこない。
学園物でもいじめっ子といじめられるヒロインという2大勢力ではなく、みんなそれぞれにいい子なんだけど、思惑がすれ違ったり、誤解したり、でもそれを前向きに解決していく。という話が多いと思うんですけど。

ハリウッドの映画は相変わらず、莫大なお金を使って勧善懲悪やっていますね。

無差別殺人に、言い訳は存在しません。極刑にも納得できます。
しかし、9.11のテロに賛同している人達もいるんですよね。
これは、どうしたことなんでしょう。
そういう人たちはどういうモラルを持って、無差別殺人に賛同しているのか?

”同胞を無差別に殺されたことがあるから、まったく関係ない人でも殺しても構わない。”
という理屈は私の考えの中では間違っていると判断されます。
しかしながら、実存するそういった狂信的な人達にとっては、この首謀者の死は新たな戦いへのモチベーションになってしまわないかしら・・・と心配するのが普通では?

首謀者を殺害して、自分とはまったく違うモラルを持った人たちに“勝ったぞ。”っつうのも…大人げないような・・・。

お互いの正しさのみを主張し合って、一歩も譲らず(だって正しいんだもん)話が平行線。というのは本当に空しい。

白黒はっきりつけて、「行け行け!Go for it!」と明るくて、前向きで、善良な世界のリーダー国が示すビジョンが最近、

「いけてない。」

と感じるのは、私だけ?(いずれにせよ、年寄りにはしんどい考え方だ。)

震災からこっち、どうしてもこれから日本がどうなっていけばよいのか、どんな国を目指せばいいのか、と良く考えます。(私が考えても何の足しにもならんが。)
戦後見本としてきた国が

「ちょっと違う。」

と思えてならん。
彼らの行こうとしている先も見えないし、どうも、そっちに魅力も感じない。

見本や手本があると、日本人ってうまくやれるのだけど、これからお手本がない未来へどうやって歩いていけばいいんでしょう。

一億二千万人という人口は世界から見たら大きな国です。
技術大国で経済的にも大国になってしまったけど、他国に比べると外交は初心者。
(なんせ鎖国していた時代のほうが開国してからよりまだ長いときたもんだ。)
とてもアンバランスな国。日本。

テロの首謀者の殺害に歓声を上げる人がたくさんいない国、
逆に9.11 が起こった時に「良くやった!」と歓声をあげた人がいない国の、
パスポートを持っていることに、少し安堵しておるのです。
開国から157年。_c0180339_253834.jpg

手本にしなくても、仲良くしていくことは正しいと思います。念のため。
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by Rottenmeier-ffm | 2011-05-05 03:00 | ドイツ生活 | Comments(10)
Commented by toramutti at 2011-05-05 04:32
メルケル首相の最初の反応、ich freue michと言ったんでしたっけ、批判されてますね。両教会からも批判がおこっているようですし、バチカンもはっきり批判表明したんじゃなかったでしょうか。新聞読むのをさぼっているので、確かではないんですが。。。
昨日、喜んでいる某国の様子をTVでみて、吐きそうになりました。。
Commented by Eric at 2011-05-05 06:09 x
私はキリスト教信者ではありませんが、メルケル首相の次にバチカンのコメントを聞いて救われました。
アメリカで野球をみている観客席が iPhone 等見ながら ざわついて、
その内、野球はそっちのけで狂喜するさまを見て、
言葉がなかった、唖然としました。
Commented by ko-ike at 2011-05-05 13:16 x
 こんにちは。
 ビンラディンの件は本当にびっくりしました。それに対する意見(喜びとか疑問とか)が多様なのがとても興味深いなあ、と思っていろいろな報道などみています。
 日本が自然信仰を基にしている文化を持つ(神道とか、仏教とか、神様・信じるべき人がたくさんいる)ので、日本人はいろいろなものを受け入れ易いのかもしれないなあ、と思いました。もちろんそれだけではないでしょうけどね。
 日本は「出る杭は打たれる」のように個人個人が異なる意見を持つことを比較的嫌うきらいがあるのかなあ、と思っていたのですが、意外と人の意見を聞くような懐もあるのかもしれないなあ、と感じました。
 日本人は元農耕民族だけあって攻撃的ではないのかもしれないですね。自然と相談しながらという感じで生活してきたので、いろいろ受け入れやすいのかなあ。
 ・・・、とちょっと大げさに考えてみました。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-06 07:29 x
toramuttiさん、メルケルさん、今回は批判されてもしょうがない気がします。やっぱり喜んで歓声を上げているアメリカを見たくない人はたくさんいるんだな。ちょっと安心。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-06 07:32 x
Ericさん、えらい映像ご覧になったんですね。野球場でニュースを見た人もいたのか。急に歓声が上がってプレーしてた人はびっくりしたでしょうね。それでいいのか、と思った人はその場にあんまりいなかったんでしょうねえ…。
Commented by Rottenmeier at 2011-05-06 07:38 x
Ko-ikeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。多くの日本人が今回の事件では冷静に受け止めている人が多いのは本当に安心します。私もいろんな意味で攻撃的ではない日本がうれしいです。特に今の時代には。優柔不断でへたれっぽいというイメージと表裏一体であるのはしかたない。それでも、敵を作ることを恐れず、自分の信じた正義を貫くことがいつも正しいと盲信するのはとても危険なことだと思います。いろいろと受け入れることのできる懐の深い文化を築くのはとても大切だと思います。日本がそうなればいいなあと。
Commented by Kisa at 2011-05-06 11:54 x
ちょっと話がそれますが、日本は鎖国中とはいえ、民間では思った以上に外国とのつきあいを続けていたようです。日本でいう江戸時代、日本の漆器や陶器は海外(特に欧州)では知る人ぞ知る高級品であり、特権階級に多い趣味人に非常に好まれたので、色んなつてをたどって、いわゆるオーダーメイドという形で日本の製作元に注文が寄せられています。(例えば、ギリシア神話をモチーフに作ってほしいという注文を受けたものの、製作元の日本人職人には注文書の文章だけではわからなかったので、考慮の末、舞楽の面(唐舞)のような絵をつけたという陶磁器等が残っています)その過程で、仲介者だけでなく製作元においても海外の文化や求められるクオリティを知る下地が養われ、美しさだけでなく長距離輸送に耐えうる製品の質も向上し、その結果、開国後すぐパリの万博に出展した際、日本製品は欧州の先進国の製品にひけをとらないレベルになっていたそうです。そのため、日本は鎖国から明けたばかりの国とはいえ、文化的にはかなりの先進国なのだと受け容れられたのだとか。これは他国にあまり類を見ない歴史ではないかと思います。
Commented by らくだのせなか at 2011-05-06 15:40 x
日本は「外国からの評判」というのを常に気にかけてきた国だということが、司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談で話題になっていました。平安時代・江戸時代の鎖国というのは、その長い歴史から見たら、非常に短い期間。そして、Kisaさんも書いておられるとおり、全く交流がなかったわけではないのです。
様々なもの、価値観を取り入れ、我流にしていった歴史は長く、それが日本の「よそ者」に対する「おおらさか」に繋がっているのではないかと思うのです。とはいっても、「内」の人間に対しては、容赦なく「同じ」であることを求める。
塩野七生さんは、一神教が諸悪の根源と、力説しておられました。神学者の友人は、旧約聖書における「内」と「外」の徹底的分離と、新約聖書の「外」と「内」の曖昧さなんてものを、引き合いに出していました。
私自身は、今回の件に関しては、結局は「政治・政策の過ち(戦争も含めて)を正当化するための手段として、あらゆる状況を利用する為政者たちのあさましさ」に踊らされる愚衆という構図が頭に浮かんだのですが。日本だって、時代と相手が違えば、同じように、我々国民が両手を上げて歓声を上げたはず。そこに宗教性は感じられません。
Commented by Rottenmeier-ffm at 2011-05-08 01:17
らくだのせなかさん、多分その本両方とも読んだな、私も。海外との外交も近代以前は距離が遠すぎて、日本が外国と実質的にやりあったのは元寇とか、秀吉の朝鮮半島へのちょっかいぐらいだったのでは?中国やインドから文化的(仏教や司法制度を含む)なものを輸入していたとしても、勢力闘争を他国としたわけではないですね。っつか、遠すぎて出来ません。
ヨーロッパが世界制覇に乗り出した頃日本は鎖国をしてぜんぜん違う文明を築いていたことが私は面白いと思います。
そして、ヨーロパの文明に参加することを余儀なくされて157年、ヨーロッパがスタンダードであるにもかかわらず、割とうまいことたちまわって、己の本質をさほど失わずに表面的には西欧化したのではないかと思います。ほとんど本能的な部分で、今回の事件に関してアメリカの行動に拒否反応を示した日本人の方は多いのではないかと考えました。
Commented by Rottenmeier-ffm at 2011-05-08 01:21
Kisaさん興味深いお話をありがとうございます。わたしがこのブログで言いたかったのはちょっと違う意味での外交なのですけど、鎖国中もいろいろなコンタクトが海外とあったというのは楽しい事実です。
西欧化を余儀なくされる前に、鎖国をして、西洋に匹敵する高度な文明を育むことが出来たことが歴史的に見てどれほど幸甚であったことかと改めて思いますね。

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